推しに貢ぐのはもったいない？罪悪感の正体と健全な楽しみ方の秘訣

「推しに貢ぐのはもったいないのでは？」そんな風に感じたことはありませんか。

大好きなアイドルや、キャラクターを応援する「推し活」は、日々に彩りや活力を与えてくれます。

しかし、グッズ購入やイベント参加にお金を使うたび、「これはお金の無駄かもしれない」「将来のために貯金すべきでは…」と、ふと我に返って後悔にも似た気持ちになる瞬間もあるでしょう。

もしかしたら、「バカバカしい」と感じてしまうこともあるかもしれません。

周囲から「推しに貢ぐ意味が理解できない」「ちょっと気持ち悪い」といった心ない言葉をかけられたり、「このままでいいのかな」と推し活の末路や将来に対して漠然とした不安を感じたりしている人もいるでしょう。

この記事では、なぜ「推しに貢ぐのはもったいない」と感じてしまうのか、その心理的な原因を深掘りします。

そして、推し活が決して「何も残らない」ものではなく、ポジティブな影響をもたらす側面もあることを解説します。

さらに、グッズ購入に悩んだ時の判断基準や、お金を使わない応援方法、批判的な声への対処法など、実践的なノウハウが満載です。

この記事を読めば、推し活に対する罪悪感や迷いを整理し、自分らしい楽しみ方を見つけるヒントが得られるでしょう。

推しに貢ぐのはもったいない？罪悪感の根本原因

推しに貢ぐ行為は、ファン活動の一環として多くの人が経験するものです。

これが「もったいない」と感じるかどうかは、個々の価値観や経済状況によります。

ここでは、「推しに貢ぐのはもったいない」と感じてしまう心理的な背景や、推し活がもたらすポジティブな影響について掘り下げていきます。

推しがいる人の割合

ビデオリサーチのシンクタンク「ひと研究所」が、2025年に約1万4000人を対象に実施した調査によると、15～69歳の約38.9％が「推し」がいると回答しています。

この割合は前年より3.2ポイント上昇しており、推し活がさらに浸透していることがわかります。

特に15～19歳では7割以上が推しがいるとされ、若年層での定着が顕著です。

また、40歳以上の中高年層でも約4人に1人は推しがいることが確認されており、幅広い年代で推し活が行われています。

参考：推し活・ファンエンゲージメント調査2025｜ビデオリサーチ

推しがいることは、決して特別なことではなく、現代社会における一般的なライフスタイルの一つと言えるでしょう。

推し活にかけるお金の平均

推し活にかける金額は人それぞれですが、一般的な傾向を見てみましょう。

株式会社ネオマーケティングが、16歳以上の男女1,803人を対象として2024年3月に実施した「推し活に関する調査 2024年」によると、全体の73.8％が月平均1万円未満の支出となっています。

この結果から、多くの人が生活を優先しつつ、適度に推し活を楽しんでいることがわかります。

しかし、年齢や性別によって傾向が異なる点も興味深いです。

例えば、男性の場合は推し活にお金をかける人が最も多いのが30代で、約19％が月平均3万円以上10万円未満を推し活に費やしています。

また、女性では10代〜20代が最も推し活にお金をかけていて、月平均3万円以上10万円未満の割合が約14％を占めています。

参考：推し活に関する調査 2024年｜株式会社ネオマーケティング

一方で、松井証券が、20～69歳の男女1,000人を対象として2024年9月に実施した「推し活とお金に関する実態調査」によると、推し活の理想的な費用は月額5,000円以上とする人が多いものの、実際は支出を5,000円未満に抑える人が半数以上でした。

この結果は、多くの人が推し活に対して金銭的なジレンマを抱えていることを示唆しています。

参考：推し活とお金に関する実態調査｜松井証券株式会社

推しに貢ぐ意味

「推しに貢ぐ」という行動は、一見すると非合理的に見えるかもしれません。

しかし、そこには様々な心理的要因が絡み合っており、貢ぐ人それぞれに異なる理由が存在します。

貢ぐ理由の一つとして、推しの活動を応援したいという純粋な気持ちがあります。

例えば、好きなアイドルやアーティストが活躍する姿を見たい、応援したいという気持ちから、CDやグッズを購入したり、コンサートに足を運んだりする人がいるでしょう。

これは、推しへの感謝や応援の気持ちの具体的な表現と言えます。

また、推し活を通して得られる満足感や幸福感も、貢ぐ動機の一つです。

限定グッズを手に入れたり、特別なイベントに参加したりすることで、大きな喜びや達成感を感じることができます。

これは、推しへの貢献を通して自己満足感を得ている状態と言えるかもしれません。

推し活はストレス解消や日常生活の楽しみとして機能することもあります。

忙しい日々の中で、推しの存在が心の支えとなり、リフレッシュする時間を提供してくれます。

これにより、日常生活におけるモチベーションが向上することも少なくありません。

さらに、同じ推しを持つ人々との繋がりを求める心理も考えられます。

グッズ購入やイベント参加は、共通の話題を持つファン同士のコミュニティへの参加の証となる場合もあります。

同じ趣味を持つ人々と繋がり、共感や一体感を味わいたいという欲求が、貢ぐ行動に繋がっている可能性もあるでしょう。

以下に、推しに貢ぐ理由を簡潔にまとめます。

• 推しの活動を応援したいという気持ち
• 推し活を通して得られる満足感や幸福感
• 同じ推しを持つ人々との繋がり

これらの要素が複雑に絡み合い、「推しに貢ぐ」という行動が生まれていると考えられます。

「推し活はお金の無駄」と感じる心理的な理由

多くの人が楽しんでいる推し活ですが、一方で「お金の無駄ではないか」と感じてしまう瞬間があるのも事実です。

その背景には、いくつかの心理的な要因が考えられます。

周囲の価値観が異なる人からの視線や言葉

自分の「好き」が、必ずしも周囲の人に理解されるとは限りません。

特に、推し活に興味がない人や、趣味にお金をかけることに否定的な考えを持つ人からは、「そんなものにお金を使うなんて」「もっと有意義なことにお金を使えばいいのに」といった言葉を投げかけられることがあります。

こうした否定的な意見や、冷ややかな視線にさらされると、「自分のしていることは間違っているのかもしれない」「やっぱり無駄遣いなのかな」と感じてしまいがちです。

身近な家族や友人からの理解が得られない場合、その影響はより大きくなるでしょう。

価値観の多様性が認められつつある現代でも、こうした外部からのプレッシャーが、推し活への罪悪感を生む一因となります。

将来に対する漠然とした不安感

将来の生活や経済状況に対する不安も、「推し活はお金の無駄」と感じさせる要因の一つです。

「このままで老後は大丈夫だろうか」「もっと貯金しておかないといけないのでは」といった漠然とした不安があると、現在の楽しみである推し活への出費が、将来のリスクを高める行為のように思えてしまうのです。

特に、収入が不安定だったり、大きなライフイベント（結婚、出産、住宅購入など）を控えていたりすると、その不安は増大する傾向にあります。

将来への備えと、現在の楽しみとの間でバランスを取ることの難しさが、推し活への支出をためらわせる心理につながるでしょう。

他の生活領域をないがしろにしている

推し活に熱中するあまり、時間やお金を使いすぎてしまうことがあります。

その結果、仕事や学業がおろそかになったり、友人との付き合いが悪くなったり、睡眠時間を削ってしまったりするなど、他の大切な生活領域にしわ寄せがいくことがあります。

このような状況になると、「自分は何をやっているんだろう」「推し活ばかりしていて大丈夫かな」という自己嫌悪や後悔の念が生まれます。

推し活自体は楽しいはずなのに、生活全体のバランスが崩れることで、結果的に「お金や時間の無駄だった」と感じてしまうのです。

趣味を楽しむためには、生活基盤が安定していることが前提となります。

無理をして他のファンに合わせている

SNSなどで他のファンの活発な推し活の様子を見ると、「自分ももっと頑張らないと」「あの人と同じくらいお金を使わないとファン失格だ」といった気持ちになってしまうことがあります。

特に、限定グッズやイベント参加券などを巡って、競争意識が煽られるケースも少なくありません。

しかし、他のファンと自分とでは、経済状況も価値観も異なります。

周囲に合わせて無理な出費を続けていると、経済的に苦しくなるだけでなく、精神的にも疲弊してしまいます。

「本当はこんなにお金を使いたくないのに」という気持ちが積み重なると、やがて推し活そのものが苦痛になり、「お金を無駄にした」という後悔に繋がる可能性があるでしょう。

見返りを期待してしまっている

推しに対して時間やお金をかける中で、無意識のうちに「これだけ応援しているのだから、何か見返りが欲しい」という気持ちが芽生えることがあります。

例えば、「推しに認知されたい」「ファンサービスが欲しい」「イベントで良い席が当たりたい」といった期待です。

しかし、推しからの見返りは約束されたものではありません。

期待通りにいかなかった場合、「こんなにお金を使ったのに、何も報われなかった」という失望感や虚しさを感じてしまうことがあります。

この「見返り」を求める気持ちが強すぎると、純粋な応援の気持ちが薄れ、推し活が損得勘定に基づいた行為になりがちです。

そして、期待が満たされないたびに「お金を無駄にした」と感じてしまう悪循環に陥る可能性があります。

何も残らない？推し活がもたらすポジティブな影響

「推し活にお金を使っても、手元には何も残らないのでは？」と感じる人もいるでしょう。

確かに、形あるモノとして残るものは少ないかもしれません。

しかし、推し活は目に見えない多くの価値やポジティブな影響をもたらしてくれます。

日々の活力を与えてくれる

推しの存在は、日々の生活における大きなモチベーションになります。

「推しが頑張っているから自分も頑張ろう」「次のライブを楽しみに仕事を乗り切ろう」といった前向きな気持ちは、困難な状況を乗り越えるためのエネルギーを与えてくれます。

推しの笑顔や言葉、パフォーマンスに触れることで、心が癒されたり、元気をもらえたりすることも少なくありません。

推し活は、単なる娯楽にとどまらず、精神的な支えとなり、日々の生活に彩りと活力を与えてくれる存在なのです。

この心の充足感は、お金では買えない価値と言えるでしょう。

多様な人々と繋がれる

同じ推しを応援するファン同士は、共通の話題を通じてすぐに打ち解けやすいものです。

SNSやイベント会場などで、年齢や職業、住んでいる場所も異なる様々な人々と出会い、交流する機会が生まれます。

普段の生活では出会えないような人々と繋がり、情報交換をしたり、一緒にイベントを楽しんだりすることは、人間関係の幅を広げ、新たな視点を与えてくれます。

共通の「好き」で繋がるコミュニティは、孤独感を和らげ、安心感や連帯感をもたらしてくれる居場所にもなりえます。

こうした人との繋がりは、人生を豊かにする貴重な財産となるでしょう。

情報収集力や行動力が上がる

推しに関する最新情報を得るために、公式サイトやSNSをこまめにチェックしたり、関連ニュースを調べたりするようになります。

また、限定グッズを手に入れるために販売情報を集めたり、イベントに参加するために交通手段や宿泊先を調べたりすることも多いでしょう。

こうした活動を通して、自然と情報収集能力が向上します。

さらに、イベント会場に足を運んだり、遠征したりすることで、計画性や行動力も養われます。

推し活は、楽しみながら様々なスキルを身につける機会を与えてくれるのです。

これらの能力は、推し活以外の場面でも役立つ可能性があります。

推しを通じて世界が広がる

推しがきっかけとなり、これまで知らなかった世界に興味を持つことがあります。

例えば、好きなアイドルが紹介していた本を読んでみたり、アニメの舞台となった場所を訪れてみたり、推しが話す言語を学んでみたり。

推しの活動分野（音楽、演劇、スポーツ、歴史など）について深く知ることで、新たな知識や教養が身につきます。

また、推しが海外で活動している場合、その国の文化や社会に触れる機会も増えるでしょう。

推し活は、自分の興味関心の幅を広げ、世界をより深く、多角的に見るきっかけを与えてくれるのです。

経済や文化を支えている

個々のファンによる推し活への支出は、集まることで大きな経済効果を生み出します。

CDやDVD、グッズの売上、ライブやイベントのチケット代、関連書籍や雑誌の購入、さらには交通費や宿泊費など、その消費は多岐にわたります。

これらの消費は、エンターテインメント業界はもちろん、出版、旅行、飲食など、様々な産業を活性化させています。

ファンによる応援が、アーティストやクリエイターの活動を支え、新たなコンテンツや文化を生み出す原動力となっているのです。

推し活は、個人の楽しみであると同時に、社会全体の経済や文化の発展に貢献している側面も持っています。

推しに貢ぐのはもったいない？後悔しないための心構え

推し活は多くの喜びをもたらしてくれますが、一方で「もったいない」と感じたり、後悔したりする可能性もゼロではありません。

充実した推し活を長く続けるためには、いくつかの心構えを持っておくことが大切です。

推し活の末路を考える：生活全体のバランスをとる重要性

推し活に熱中するあまり、時間やお金を際限なく注ぎ込んでしまうと、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。

例えば、貯金を切り崩してしまったり、借金をしてしまったりするケース。

あるいは、仕事や学業、家族や友人との関係など、推し活以外の生活領域が疎かになってしまうことも考えられます。

このような「推し活の末路」とも言える状況を避けるためには、常に生活全体のバランスを意識することが不可欠です。

推し活はあくまで人生の一部であり、全てではありません。

自分の収入や貯蓄、他の趣味や人間関係、健康状態などを考慮し、推し活が生活を圧迫しない範囲に留める意識を持つようにしましょう。

時には立ち止まって、自分の推し活のあり方を見直す視点も求められます。

無駄な出費や後悔を減らす！自分軸を持った推し活のすすめ

「もったいない」「後悔した」と感じる原因の一つに、周囲に流されてしまうことがあります。

「他のファンが買っているから」「限定品だから」といった理由だけで、本当はそれほど欲しくないものまで購入してしまうと、後で虚しさを感じやすくなります。

後悔しないためには、「自分軸」を持った推し活を心がけることが大切です。

まず、自分が推し活に使える予算を明確に設定しましょう。

収入の中から、無理のない範囲で推し活用のお金を確保します。

そして、その予算内で何に優先的にお金を使いたいか、自分なりのルールを決めるのです。

例えば、「ライブやイベントには積極的に参加したいけど、グッズは厳選する」「CDは買うけど、雑誌はサブスクで読む」など、自分の価値観に基づいて優先順位をつけます。

他のファンと比較するのではなく、「自分にとって何が一番大切か」を基準に判断することで、無駄な出費を減らし、満足度の高い推し活ができるようになるでしょう。

推しのグッズにお金を使うのがもったいないと感じた場合

推し活の中でも、特にグッズ購入は出費がかさみやすい項目です。

次々と新しいグッズが登場し、つい集めたくなってしまう気持ちも分かります。

しかし、冷静になった時に「こんなにグッズばかり買って、もったいなかったかな」と感じることもあるかもしれません。

もしグッズ購入に「もったいない」と感じ始めたら、一度立ち止まって、自分にとってグッズが持つ意味を考えてみましょう。

本当に欲しいものなのか、ただ集めることが目的になっていないか、見直す良い機会です。

全てのグッズをコンプリートする必要はありません。

心から気に入ったもの、大切にできるものだけを選ぶという選択もできます。

推しを応援する方法はグッズ購入だけではありません。

「理解できない」「気持ち悪い」という周囲の声への対処法

推し活に対して、残念ながら否定的な意見を持つ人もいます。

「そんなことにお金や時間を使うなんて理解できない」「ちょっと気持ち悪い」といった心ない言葉に傷つくこともあるでしょう。

しかし、価値観は人それぞれです。

全ての人が推し活の楽しさや意義を理解してくれるわけではありません。

大切なのは、他人の評価に振り回されず、自分の「好き」という気持ちを肯定することです。

もし否定的な言葉を投げかけられたら、真正面から反論する必要はありません。

「そういう考え方もあるんですね」「私はこれが楽しいんです」と、冷静に受け流すことも一つの方法です。

無理に理解を求めようとせず、「人は人、自分は自分」と割り切る強さも時には必要です。

貢ぐのに疲れたら？推しにお金を使わない応援方法

どれだけ推しが好きでも、時には「貢ぐ」ことに疲れてしまうことがあります。

経済的な負担が大きくなったり、情報収集やイベント参加に追われて精神的に消耗したり。「好き」なはずなのに、義務感や焦りを感じてしまう状態です。

そんな時は、無理せず休息することが大切です。

一時的に推し活から距離を置いて、他の趣味を楽しんだり、ゆっくり休んだりする時間を作りましょう。

推し活は義務ではありません。

自分のペースで楽しむことが何よりも大切です。

そして、疲れたからといって、完全にファンを辞める必要はありません。

お金を使わない応援方法もたくさんあります。

• SNSでの応援：推しの投稿に「いいね」やコメントをしたり、情報をリポストしたりする
• 無料コンテンツの活用:：YouTubeや無料配信アプリなどで、動画やラジオを視聴する
• 口コミ・布教活動：友人や知人に推しの魅力を伝えたり、作品を勧めたりする
• ファンアートや二次創作：イラストや小説、動画などを作成して、推しへの愛を表現する（公式のガイドラインは遵守しましょう）

これらの活動は、お金をかけずに推しへの気持ちを表現し、応援に繋がる方法です。

経済的な状況や、その時の気分に合わせて、無理なく続けられる応援の形を見つけることが、長く楽しく推し活を続ける秘訣と言えるでしょう。

もちろん、推しが活動を続けるには資金が必要です。

しかし、推しを応援するために自分が疲弊してしまっては元も子もありません。

推しに貢ぐのはもったいない？：まとめ

今回の記事のまとめです。

「推しに貢ぐのはもったいない？」という問いに対する答えは、一様ではありません。

周囲の価値観や将来への不安から、そう感じてしまう気持ちは自然なものです。

しかし、推し活が日々の活力となり、人との繋がりや自己成長の機会を与えてくれることもまた事実です。

大切なのは、他人と比較したり、周囲の声に惑わされたりせず、「自分にとっての心地よさ」を基準にすることです。

生活全体のバランスを見ながら、無理のない範囲で予算を設定し、自分なりの優先順位で推し活を楽しみましょう。

もし推し活に疲れを感じたら、立ち止まって休む勇気も必要です。

自分にとって理想的な推し活のあり方を見つけ、充実した日々を送りましょう。