「親に推しを言えない」。
この悩みを抱えている人は、決して少なくありません。
大好きな推しの存在を親に打ち明けられない、理解してもらえないのではないかという不安が、心の奥底に深く根付いているかもしれません。
では、なぜ親に推しを言えないのでしょうか?
その理由には、心理的な要因や親との関係性、価値観の違いなど、さまざまな要素が絡んでいます。
この記事では、「親に推しを言えない」という状況を乗り越え、親との関係を良好に保ちながら推し活を楽しむための方法を詳しくご紹介します。
この記事を読めば、きっと一歩踏み出す勇気が湧いてくるはずです。
親に推しを言えない!
近年、アニメやアイドル、アーティストなどを熱心に応援する「推し活」が若い世代を中心に広がっています。
その一方で、自分の「推し」を親に打ち明けられないという悩みを抱えている人も少なくないようです。
例えば、オタク系YouTuberのあくにゃんが、2022年に600人を対象に実施したアンケート調査では、3.2%の人は推し活をしていることを親に言っていないと回答していました。
参考:あくにゃんの推し活ラボ ~アイドルオタクマーケティング研究中~|note
親に推しを言えない理由
子どもが自分の「推し」について親に話せない理由として、以下の点が挙げられます。
- 否定されるのが怖い
- 恥ずかしい
- 推し活に対する親の誤解や偏見
- 親世代と若者世代の価値観の違い
否定されるのが怖い
「親に推しを言えない」という状況には、いくつかの背景が影響しています。
まず、親が推しや推し活を理解できず、否定的な反応を示すのではないかという不安が大きな要因です。
このような反応を予測することで、子どもは萎縮し、自分の好きなことを素直に話せなくなってしまいます。
また、「親は自分の趣味を理解してくれない」という思い込みも、打ち明けられない理由の一つです。
さらに、推し活にはお金がかかるため、親から金銭面での批判を受けることを心配する気持ちも、子どもをためらわせる要因となります。
こうした不安は、親子間のコミュニケーションを妨げることが多く、結果として推し活を隠すという選択につながっているケースが多く見られます。
恥ずかしい
「親に推しを言えない」という気持ちの裏には、自分の趣味や好きなことを親に話すのが恥ずかしいと感じることも関係しています。
特に、親との関係が友達のようにフランクでない場合や、親が自分の好きなことを理解してくれないと感じている場合は、その気持ちはさらに強くなるでしょう。
例えば、親がアニメやアイドルに興味を持っていないと、「どうせ話しても分かってもらえない」と思ってしまい、話すのをためらってしまうかもしれません。
また、思春期は周りの目を気にしやすい時期でもあるため、恋愛感情にも似た「好き」という感情を親に知られることに抵抗を持つこともあります。
このような恥ずかしさや遠慮が、推しの存在を親に言えない状況を作ってしまうのです。
推し活に対する親の誤解や偏見
親世代が「推し活」についてあまり知らなかったり、少し違う見方をしていると、子どもは自分の好きなことを親に話しにくくなってしまいます。
例えば、親が推し活を「お金の無駄遣いだ」とか「時間の無駄だ」と思っている場合、子どもは自分の趣味を親に話すのをためらってしまうでしょう。
また、親世代の中には、アニメやアイドルなどのオタク文化全体に対して、あまり良いイメージを持っていない人もいます。
親が推し活に否定的な意見を持っていると、子どもは「もしかしたら、怒られるかもしれない」と不安になり、自分の推しについて話すことを諦めてしまうかもしれません。
このような親の偏見が、子どもが自分の好きなことを隠してしまう大きな原因の一つになっているのです。
親世代と若者世代の価値観の違い
親世代と若者世代の間には、価値観の違いがあり、それが推し活に対する理解の差を生む原因の一つになっています。
例えば、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」が、2021年3月に15歳~18歳の男女を対象に行った調査によると、Z世代の約6割が親の価値観は古いと感じているそうです。
参考:Z世代の家族に対する意識・実態調査|SHIBUYA109 lab.
これは、Z世代がSNSを通じてさまざまな考え方に触れる機会が多いことが影響していると考えられます。
また、デジタルコミュニケーションの重要性についても、世代間で考え方が異なります。
若者世代はSNSでの交流を大切にしている一方で、親世代は直接会って話すことを重視する傾向です。
さらに、自己実現や生きがいに対する考え方にも違いがあります。
若者世代は自分の好きなことや興味を追求することを大切にする傾向があるのに対し、親世代は安定した生活や社会的な成功を重視する傾向があります。
このような価値観の違いが、親の推し活に対する理解不足や偏見につながるのだと考えられるでしょう。
親に推しを言えないことの影響
親に推しを言えないと、趣味活動が制限されるだけでなく、自己表現や生活の充実感にも影響が出ることがあります。
以下では、具体的な影響について解説します。
- ライブやイベントに行けない
- CDやグッズを購入しづらい
- 自己表現が制限される
ライブやイベントに行けない
親に推しのことを話せないと、好きなアーティストのライブやイベントに行くのが難しくなることがあります。
特に未成年の場合、親から「どこに行くの?」「誰と行くの?」と聞かれたときに、正直に答えられないため、外出する理由をうまく説明できず、参加が難しくなってしまうことがあるでしょう。
また、ライブやイベントに参加するには、チケット代や交通費などの費用がかかります。
もし親に推しのことを話せない場合、お金の援助を頼むこともできないため、経済的な負担が大きくなり、結果として参加を諦めざるを得ないこともあります。
親に内緒でライブやイベントに行こうとすると、嘘をついたり、ごまかしたりしなければならず、後ろめたい気持ちになってしまうかもしれません。
CDやグッズを購入しづらい
推し活をする上で、CDやグッズの購入は欠かせないものですが、親に自分の趣味を言えないと、その購入がとても難しくなってしまいます。
例えば、オンラインショップでグッズを買うとき、自宅に送ると親にバレてしまうため、コンビニ受け取りなど、配送先を親に知られない場所に指定する必要が出てきます。
また、せっかく買ったグッズも、親に見つからない場所に隠しておかなければならないため、飾って楽しむこともできません。
さらに、推し活にはお金がかかるため、親にお小遣いをもらっている場合、そのお金の使い道について説明を求められることもあります。
親に推し活を隠していると、お金の使い方を正直に話せずに、嘘をついたりごまかしたりする必要が出てくるでしょう。
自己表現が制限される
推し活は、自分の好きなものを応援することで、自分らしさを表現する大切な手段の一つです。
しかし、親に推しのことを言えないと、その自己表現の機会が減ってしまいます。
例えば、推しのことを周りに隠していると、推し活そのものを楽しむ気持ちが薄れてしまうことがあります。
「どうせ隠さなきゃいけないなら、もういいや」と思ってしまうこともあるかもしれません。
また、友達と推しについて話すときも、親がいない場所でこっそり話さなければならず、自由に楽しめないでしょう。
さらに、親に推し活を隠していると、「親を騙しているみたいで悪いな」と罪悪感を感じてしまうこともあります。
このように、推し活を隠さなければならない状況は、自分の気持ちを素直に表現する機会を奪い、心に大きな負担をかけてしまうのです。
親に推しを伝える方法
親に推しを伝える際には、一度にすべてを話す必要はありません。
少しずつ情報を共有しながら、相手の反応を見て進めることがポイントです。
以下では、具体的な方法をご紹介します。
- 親の前で推しの出演番組や動画を見る
- 「友達におすすめされた」など、少しずつ話題に出してみる
- 親の趣味や興味と関連付けて話す
親の前で推しの出演番組や動画を見る
親に推しのことをさりげなく伝えるには、まず親が自然に推しに触れる機会を作ることです。
例えば、家族みんなでテレビを見ているときに、推しが出ている番組や動画を一緒に見てみましょう。
最初から「これが私の推し!」と強くアピールするのではなく、会話のきっかけとして利用すると良いでしょう。
番組を選ぶときは、親世代にも馴染みやすい内容や、興味を持ちそうなジャンルのものを選ぶとより効果的です。
例えば、親が好きな芸能人も出ている番組などが良いかもしれません。
一緒に見るときは、無理に「これ面白いから見て!」と押し付けるのではなく、「これ、面白いよ」と軽く勧める程度で十分です。
もし親が興味を持って、「これ誰?」などと質問してきたら、丁寧に答えるようにしましょう。
親が知っている情報や、共感できる話題を交えて話すと、親も興味を持ちやすくなります。
「友達におすすめされた」など、少しずつ話題に出してみる
もし、親に直接「推し活をしている」と言うのが難しいと感じるなら、「友達から聞いた」など、間接的な形で話題を振ってみるのがおすすめです。
この方法なら、直接的に自分の趣味を伝えるよりも、抵抗感なく話を進めることができます。
例えば、「友達も最近、〇〇っていうグループが好きみたいだよ」とか、「最近、この曲が流行っているらしいよ」といったように、軽いトーンで話してみましょう。
このとき、親の反応をよく観察して、もし否定的な反応があったら、無理に話を続けずに一旦引き下がるのが賢明です。
そして、別のタイミングでまた挑戦してみると良いかもしれません。
話題を振るときは、推し活のポジティブな面を強調することも大切です。
例えば、「この曲を聴くと元気になれるんだ」とか、「この人の話を聞くと勉強にもやる気が出るんだ」といったように、趣味が良い影響を与えていることを伝えると、親も受け入れやすくなるはずです。
親の趣味や興味と関連付けて話す
親に推しのことを話すとき、親の趣味や興味と関連付けて話すと、親も共通の話題として受け入れやすくなるでしょう。
例えば、親が昔好きだったアーティストの話をするときに、「〇〇の音楽に似たところがあるんだよね」と、あなたの推しの音楽性を紹介してみると、親も「どんな音楽なんだろう?」と興味を持つかもしれません。
また、親がスポーツ好きなら、推しがスポーツに関わっているエピソードを話してみるのも良いでしょう。
「この人、〇〇のスポーツが得意らしいよ」といった具合に、親の関心のあるスポーツと関連付けて話すと、興味を持って聞いてくれる可能性があります。
親がテレビドラマが好きなら、「このドラマに出ている人、気になってるんだ」と伝えることで、共通の話題から会話を広げることができます。
このように、親の興味や関心に合わせて話題を提供することで、親はあなたの推しや推し活を身近に感じ、理解してくれる可能性が高まるでしょう。
親に推し活を理解してもらうには?
親に推し活を理解してもらうには、趣味と日常生活のバランスを保ち、親が抱く不安や疑問に誠実に向き合うことが重要です。
以下では、具体的な方法を解説します。
- 学業や家族を優先する
- 費やす時間を適切に管理する
- お小遣いの範囲で楽しむ
学業や家族を優先する
推し活を楽しむためには、まず学業や家庭内の役割をきちんと果たすことが大切です。
これにより、親からの信頼を得やすくなります。
- 学校の成績や提出物のスケジュールをきちんと守る
- 推し活をする時間と勉強時間を明確に分ける
- 家族との食事や会話を大切にする
これらの行動は、親が推し活への不安を軽減する助けとなります。
費やす時間を適切に管理する
推し活が生活全般に影響しないよう、時間管理を徹底しましょう。
特に長時間の動画視聴やSNS利用は注意が必要です。
- 推し活にかける時間を具体的に決める
- スマホやSNSの利用時間を制限するアプリを活用する
- 推し活によって睡眠不足にならないよう注意する
適切な時間配分は、趣味と生活のバランスを保つための基本です。
お小遣いの範囲で楽しむ
金銭面で親への負担をかけないことも、推し活への理解を得るためには欠かせません。
無理なく楽しむ姿勢が大切です。
- 月々の推し活予算を決める
- グッズやイベントへの支出を記録する
- 節約を心掛け、欲しいものを全て買うのではなく厳選する
親への金銭的な負担が少ないほど、趣味活動への反発も和らぎます。
親に推しを言えない:よくある質問
最後に、推し活をしている中で、多くの人が抱える疑問や悩みに対して回答します。
ライブに行きたい:親に内緒で行くのはダメ?
ライブに参加することは、推し活の醍醐味の一つですが、親に内緒で行くことは推奨されません。
安全面や信頼関係の観点から、親に事前に相談することが大切です。
- 安全面のリスク:ライブ会場までの移動や帰宅時間など、未成年の場合は特に危険が伴うことがあります。親が知っていれば、緊急時に対応しやすくなります。
- 信頼関係の重要性:内緒で行動することで、万が一親に知られた場合、家庭内での信頼関係が損なわれる可能性があります。事後報告は避けましょう。
どうしてもライブに参加したい場合は、正直に親に伝えることが望ましいです。
具体的な計画を立てて伝えると、親も納得しやすくなります。
- 会場までの交通手段
- 一緒に行く友達の名前や連絡先
- ライブ終了後の帰宅時間
これらの工夫によって、親の理解を得られる可能性が高まります。
無断で行動するよりも、信頼関係を築く努力が重要です。
親に推しがバレたくない場合はどうすればいい?
親に推しがバレることを避けたい場合、いくつかの工夫が必要です。
特に、グッズやSNSの利用など、推し活に関連する行動が目立つことで気づかれる可能性があります。
以下の対策が効果的です。
- グッズの管理:購入したグッズは目立たない場所に保管する
- SNSのプライバシー設定:推し活専用アカウントを作成する
- 話題選びに注意する:家族との会話で推し活の話題を出さない
推し活が楽しいものである一方で、家庭内での理解がないと孤独感を抱くこともあります。
信頼できる友達やオンラインコミュニティを活用することで、ストレスを軽減する手段を見つけていきましょう。
親に推しを言えない:まとめ
親に推しを言えない理由には、否定されることへの不安や世代間の価値観の違いが影響していることがあります。
まずは、少しずつでも良いので、親に推しの存在を伝えてみることをおすすめします。
最初は軽い話題から始めて、徐々に自分の気持ちを共有していくと良いでしょう。
また、学業や家族との時間を大切にしながら、推し活と両立させる努力も重要です。
そうすることで、親もあなたの趣味を理解しやすくなるかもしれません。
この記事が、一歩踏み出すためのきっかけとなれば幸いです。