楽しみにしていたライブやコンサート、でも急な用事でどうしても行けない…。そんな時、「行けなくなったチケットどうする?」と頭を抱えてしまいますよね。まず思いつくのは、「友達にあげる」という選択肢でしょう。
しかし、いざ友達に譲るとなると、「チケット代のお金はどうやって請求すればいい?」「本当に行けなくなった人の代わりに入れるの?」「本人確認は大丈夫?」など、次々と疑問が湧いてくるものです。親しい間柄だからこそ、チケット譲渡で気まずい思いはしたくありません。
この記事では、そんな「行けなくなったチケットどうする?」という悩みに対し、友達にあげる際に知っておくべき法律やルール、トラブルを防ぐための具体的な注意点を徹底的に解説します。
行けなくなったチケットどうする?友達にあげるのはアリ?知っておくべきルールと注意点

急な用事や体調不良で、「行けなくなったチケットどうする?」と頭を抱えてしまう経験は、誰にでもあるかもしれません。そんなとき、思いつくのが友達にあげるという選択肢ですよね。
しかし、親しい間柄だからこそ、安易な譲渡は思わぬトラブルの原因になることも。チケットの譲渡には法律や主催者が定めたルールが関係してきます。
この章では、友達にチケットを譲る際に「知らなかった」では済まされない、大切なルールと注意点を一つひとつ丁寧に解説していきます。法律のことから、当日の本人確認、お金のやり取りまで、安心して譲渡するために必要な知識を一緒に確認しましょう。
- まずは法律をチェック!「チケット不正転売禁止法」って何?
- 友達への定価譲渡は「特定興行入場券の不正転売」には当たらない
- 最優先は主催者の「規約」!譲渡禁止のケースも
- 本人確認はどのくらい厳しい?
- チケット代はどうする?お金のやり取りは明確に
- 行けなくなった人の代わりに友達に同行してもらう場合の注意点
まずは法律をチェック!「チケット不正転売禁止法」って何?
最近よく耳にする「チケット不正転売禁止法」。なんだか厳しい法律のようで、友達に譲るだけでも違反になるのでは?と心配になりますよね。
この法律は、正式名称を「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」と言います。この法律が禁止しているのは、「特定興行入場券を、主催者の同意なく、業として、元の販売価格を超える価格でチケットを転売すること」です。
ポイントは2つあります。
- 「業として」: 利益を得る目的で、繰り返しチケットを転売している場合を指します。
- 「元の販売価格を超える価格」: チケット代金や各種手数料を上回る金額で販売することです。
つまり、急に行けなくなったチケットを、たまたま1回だけ、定価かそれ以下の価格で友達に譲る行為は、「不正転売」には該当せず、この法律で罰せられることはありません。
この法律は、チケットを買い占めて不当に価格を吊り上げる、いわゆる「転売ヤー」を取り締まるためのものなので、個人の善意のやり取りまでを禁止する趣旨ではないのです。
参考:e-Gov 法令検索
友達への定価譲渡は「特定興行入場券の不正転売」には当たらない
もう少し詳しく見ていきましょう。「チケット不正転売禁止法」が対象とするのは、「特定興行入場券」です。これには、以下の条件があります。
- 興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨が記載されている
- 公演の日時・場所、座席などが指定されている
- 購入者の氏名や連絡先が確認されている
参考:政府広報オンライン
多くの人気ライブやコンサートのチケットは、これらの条件に当てはまります。しかし、前述の通り、友達に定価で譲るのであれば、それは「不正転売」ではありません。
ただし、いくら友達相手でも、「ちょっとお小遣い稼ぎに…」と定価に数千円上乗せして売ってしまうと、法律に触れる可能性が出てきます。あくまでも、購入した時と同額か、それ以下の金額で譲ることが大前提です。この点をしっかり守ることが、トラブルを避ける第一歩と言えるでしょう。
最優先は主催者の「規約」!譲渡禁止のケースも
法律上は問題なくても、最も優先されるべきなのは、イベント主催者やチケット販売サイトが定める「規約」です。チケットを購入する際、私たちは無意識のうちにこの規約に同意しています。
そして、この規約の中に「チケットの譲渡・転売は一切禁止」と明記されているケースが非常に多いのが実情です。この場合、たとえ相手が家族や友達で、定価での譲渡だったとしても、規約違反と見なされる可能性があります。
規約に違反した場合、
- 譲渡されたチケットが無効になり、入場できない
- チケット購入者のファンクラブ会員資格が剥奪される
- 今後のチケット抽選で不利になる
といった厳しいペナルティが科されることも考えられます。チケットを譲る前には、必ず公式サイトやチケット購入ページの注意事項を再確認し、譲渡が認められているかどうかをチェックすることが不可欠です。
本人確認はどのくらい厳しい?
規約で譲渡が禁止されている場合、気になるのが「当日の本人確認はどのくらい厳しいのか」という点でしょう。こればかりは「公演による」としか言えません。
本人確認が行われない公演もあれば、身分証明書の提示を求められ、チケットの名義と少しでも異なれば絶対に入場させてもらえない厳しい公演もあります。
特に、人気が高く、高額転売が横行しているアーティストのライブでは、本人確認が厳格に行われる傾向が強いです。「自分は大丈夫だろう」と軽く考えていると、当日悲しい思いをすることになりかねません。座席に着いてから本人確認されるケースもあります。
Kアリ入ったら胸元にカメラつけたスタッフ何人もいてランダム本確してた
— 🩰せいうち (@mAshosan) August 6, 2025
譲渡したことがバレた場合、行った友達が入場できないだけでなく、チケットを譲った側もペナルティが科されることになるので、リスクを事前にしっかりと考えておく必要があると言えるでしょう。
チケット代はどうする?お金のやり取りは明確に
親しい友達との間でも、お金の話はトラブルの元になりやすいもの。チケットを譲る際には、代金のやり取りについて事前に明確にルールを決めておくことが、お互いの信頼関係を保つ上で重要です。
まず決めるべきは、譲渡する金額です。チケットの代金だけでなく、システム利用料や発券手数料、送料など、購入にかかった諸経費をどこまで含めるのか、はっきりと話し合いましょう。「定価でいいよ」と言った場合、「定価」がどの範囲を指すのか、認識をすり合わせておくことが大切です。
次に、支払いのタイミングも決めておきましょう。チケットを渡す前に先払いしてもらうのか、それともイベント終了後で良いのか。お互いが納得できる方法を選びましょう。最近では、キャッシュレス決済アプリを利用して送金するのも、記録が残るため安心かもしれません。
また、譲った友達も急用で行けなくなってしまった場合、どうするのかも決めておく必要があります。自分で別の人を探すのか、それともキャンセルは一切不可とするのか。最初に決めておかないと、気まずい雰囲気になってしまうかもしれません。
行けなくなった人の代わりに友達に同行してもらう場合の注意点
チケットを2枚購入していて、申込者本人は行けるけれど、同行者が行けなくなった、というケースもよくありますよね。この場合、自分の隣の席に別の友達を連れて行くことになります。
申込者本人がいるのだから問題ないだろう、と思いがちですが、ここにも注意点があります。公演によっては、同行者も事前に氏名や連絡先の登録が必要な場合があります。登録した情報と来場者が異なる場合、たとえ申込者本人が隣にいても、同行者は入場を断られる可能性があるのです。
また、電子チケットの場合、同行者分のチケットをどのように分配(シェア)するのか、その方法も事前に確認しておく必要があります。アプリによっては、一度分配するとキャンセルできない仕様になっていることも。
当日の待ち合わせがスムーズにいくように段取りを決めておくのはもちろんのこと、チケットの規約を改めて確認し、同行者の変更が可能か、手続きが必要かどうかをチェックしておきましょう。
行けなくなったチケットどうする?友達にあげる以外の選択肢

さて、ここまで行けなくなったチケットを友達にあげる際の注意点を見てきました。法律や規約、本人確認など、考えるべきことが多くて「意外と大変だな」と感じたかもしれません。
友達に譲るのが難しい場合や、もっと安全な方法を選びたい場合、他の選択肢も存在します。公式サービスを利用する方法から、SNSを通じて知らない人とやり取りする方法まで、それぞれのメリットとデメリットを理解することが大切です。
この章では、友達にあげる以外のチケットの活かし方について、具体的な方法と、それに伴う注意点を掘り下げていきます。
- 最も安全!公式リセールサービスを利用する
- トラブルに注意!SNSなどで個人間取引を行う
- リスクを回避!空席にする
最も安全!公式リセールサービスを利用する
現在、最も推奨されるのが、チケットぴあやローソンチケット、イープラスといった大手プレイガイドが運営する公式リセールサービスの利用です。これは、行けなくなったチケットを、定価で他の購入希望者に再販できる公式の仕組みです。
最大のメリットは、何と言ってもその安全性と確実性。金銭のやり取りは全てプラットフォームを介して行われ、個人情報を交換する必要がないため、トラブルに巻き込まれる心配がありません。また、入場時の本人確認で問題になることもなく、購入者も安心してライブに参加できます。
ただし、いくつかの注意点も存在します。
まず、すべての公演がリセール対象となるわけではありません。また、リセールに出品できる期間は公演日の数日前までと決まっていることが多く、直前のキャンセルには対応できない場合があります。さらに、リセールが成立した場合でも、手数料が差し引かれるのが一般的です。
それでも、トラブルのリスクを限りなくゼロにしたいと考えるなら、公式リセールサービスが第一の選択肢となるでしょう。
トラブルに注意!SNSなどで個人間取引を行う
公式リセールが利用できない場合の最終手段として、X(旧Twitter)などのSNSを通じて譲り先を探す方法があります。「#○○求」「求 チケット ○○」などで検索すると、チケットを探している人が見つかります。
この方法の利点は、公式リセール対象外のチケットでも取引できる可能性があることや、手数料がかからない場合が多いことです。
しかし、その手軽さの裏には大きなリスクが潜んでいることを絶対に忘れてはいけません。見ず知らずの個人と直接やり取りするため、様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
SNSでチケットを譲るときのありがちなトラブル
- 代金の未払い・踏み倒し
先にチケットを送ったのに、いつまで経っても代金が振り込まれない、というケースです。相手と連絡が取れなくなり、チケット代を丸々損してしまう、最も多いトラブルの一つです。 - ドタキャン・音信不通
取引の約束をしたにもかかわらず、公演日が近づいたタイミングで急にキャンセルされたり、連絡が一切取れなくなったりする被害です。そうなると、もう他の人に譲る時間もなく、チケットが無駄になってしまいます。 - 入場できなかった時の責任問題
譲った相手が、本人確認などで当日入場できなかった場合に「お金を返してほしい」と要求されるトラブルです。また、本人確認で入場できなかった場合、元の購入者である自分自身も、ファンクラブの会員資格剥奪などのペナルティを受ける可能性があります。 - 転売に使われるリスク
定価で譲ったのに、相手がさらに高額転売して利益を得るケースもあります。もしその事実が主催者に発覚すれば、元の購入者として規約違反を問われる可能性も否定できません。
リスクを回避!空席にする
譲り先が見つからない。あるいは、規約が厳しく、譲渡すること自体が非常に高いリスクを伴う。そんな場合に残された、最後の選択肢が「空席にする」という決断です。
チケット代が無駄になってしまうのは、経済的にも精神的にも大きな痛手です。「もったいない」「アーティストに申し訳ない」という気持ちにもなるでしょう。
しかし、無理に譲渡して規約違反になったり、個人間取引でトラブルに巻き込まれたりするリスクを考えれば、結果的にこれが最も賢明な判断となるケースも少なくありません。
ルールを遵守するという意味では、非常に誠実な対応とも言えます。支払いが完了していれば、空席にしたからといってペナルティを受けることもありません。
まとめ:行けなくなったチケットどうする?友達にあげる前に最終確認
今回の記事のまとめです。
- 定価を超える価格での継続的な転売行為が法律で禁止されている
- 主催者の規約で譲渡禁止のケースも多いのでしっかり確認する
- 本人確認の厳しさは公演によるため確実に入場できる保証はない
- チケット代金は手数料を含めてどこまで請求するか明確に決めておく
- 最も安全で確実な方法は公式が運営するリセールサービスを利用すること
急に行けなくなったチケットどうするか、特に友達にあげるという選択肢は、一見シンプルに見えて実は確認すべき点が多くあります。
安易な譲渡によって、これまで通りの推し活を続けることが困難になる可能性もゼロではありません。法律や主催者の規約を正しく理解し、事前にリスクについてしっかり考えることが大切です。
譲渡禁止のチケットを譲りたい場合は、公式リセールサービスの利用を検討しましょう。正しい知識を身につけ、トラブルを未然に防ぎながら、大切なチケットを次の楽しみへと繋げてください。